「サロン見学だけで、自分たちの美容室の良さは本当に伝わっているだろうか?」
「美容学生に普段の接客や技術も見てもらいたい」
「求人票やInstagramを見てもらったあと、応募までにもう一つ接点をつくれないか?」
美容室の新卒採用では、
求人票、求人サイト、Instagram、会社説明会、サロン見学など、
さまざまな方法で美容学生との接点がつくられています。
その中で、もう一つ考えられるのが、
美容学生に実際のお客様として美容室を利用してもらう「サロン体験」
です。
美容学生がお客様として来店すると、
求人情報や会社説明だけでは分かりにくい、
接客、カウンセリング、技術、スタッフの動き、
店舗の雰囲気などを利用者の立場から体験できます。
現在も実際の美容室で、
美容学生限定の施術体験や、
「施術体験+会社説明」「サロン見学+施術体験」などを
新卒採用の接点として実施する例があります。
この記事では、
美容学生にお客様として来店してもらうサロン体験とは何か、
通常のサロン見学との違い、
新卒採用へ取り入れるメリットや注意点まで詳しく解説します。
美容学生の「サロン体験」とは?
ここでいうサロン体験とは、
美容学生が就職先として興味を持つ美容室を、
実際のお客様として利用することです。
例えば、
- カット
- カラー
- トリートメント
- ヘッドスパ
- その他の対象施術
などを通常のお客様と同じような流れで体験します。
採用担当者からサロンについて説明してもらうだけではなく、
自分自身がサービスを受けることで、
その美容室が普段どのような仕事をしているのかを知る機会になります。
美容学生向けサロン体験は実際に行われている
美容学生を対象とした施術体験は、
すでに複数の美容室で新卒採用・企業研究の接点として行われています。
airでは、2027年新卒向けに
「施術体験+会社説明」と
「サロン見学+会社説明」を用意しています。
SOLASでは、
新卒採用へのエントリー前に
「サロン説明会」または「施術体験」への参加を必要としています。
apishでも、美容学生が技術・接客・サロンの雰囲気を体験できる
美容学生限定の施術キャンペーンを案内しています。
大阪のLa Blessでも、
美容学生に「お客様目線」で接客や技術を体験してもらう採用導線を設けています。
つまり、
美容学生にお客様としてサロンを知ってもらうことは、求人票や見学とは異なる企業研究の方法として実際に活用されています。
サロン見学と「お客様としてのサロン体験」は何が違う?
サロン見学とサロン体験は、どちらも美容学生が就職先を知るための方法です。
ただし、分かることが異なります。
| 項目 | サロン見学 | お客様としてのサロン体験 |
|---|---|---|
| 主な立場 | 就職希望者 | お客様 |
| 仕事内容 | 説明を受ける | 営業の中で見る |
| 教育制度 | 詳しく確認しやすい | 基本的には分かりにくい |
| 接客 | 一部確認 | 自分自身が受ける |
| カウンセリング | 見学では分かりにくい場合がある | 実際に体験できる |
| 技術 | 見て確認する | 施術として体験する |
| スタッフ間の連携 | 見学時間内で確認 | 通常営業の中で確認しやすい |
どちらか一方だけで十分という話ではありません。
サロン体験で普段のサービスを知り、
サロン見学で仕事内容や教育について詳しく確認する。
このように役割を分けることができます。
美容学生がサロン体験で確認できること1|受付
美容室でのお客様体験は、施術から始まるわけではありません。
予約から来店、受付までにも、
そのサロンのサービスに対する考え方が表れます。
学生は、
- 来店時の挨拶
- 受付対応
- 待ち時間
- スタッフの表情
- 店内への案内
などを利用者として体験できます。
確認できること2|カウンセリング
美容師として重要な仕事の一つがカウンセリングです。
サロン体験では、
- 悩みをどのように聞くのか
- 希望をどう確認するのか
- どのように提案するのか
- 料金をどう説明するのか
- 施術内容をどう決定するのか
などを自分自身が体験できます。
技術だけでなく、
お客様とのコミュニケーションを学びたい学生にとっても重要な情報です。
確認できること3|技術
InstagramやWebサイトで完成したヘアスタイルを見ることはできます。
しかし実際に施術を受けると、
- 施術工程
- 技術の丁寧さ
- 説明
- 仕上がり
- スタイリング
などを自分自身で体験できます。
学生が学びたい技術と、
サロンが提供している技術との相性を考える材料にもなります。
確認できること4|アシスタントの動き
新卒入社した学生の多くは、
まずアシスタントとしてサロンワークに入ります。
だからこそ、
スタイリストだけでなく、
現在働いているアシスタントの動きも重要です。
例えば、
- シャンプー
- カラー補助
- 準備・片付け
- お客様への声掛け
- スタイリストとの連携
などです。
「入社した自分に近い立場のスタッフが、実際にどう働いているか」を見ることができます。
確認できること5|スタッフ同士の連携
求人票に、
「スタッフ同士仲が良い」
と書かれている美容室は少なくありません。
しかし、実際の職場環境は言葉だけでは分かりません。
サロン体験では、
- スタッフ同士の声掛け
- 忙しいときのフォロー
- 先輩から後輩への対応
- 店舗全体の動き
などを通常営業の中で見ることができます。
確認できること6|お客様との距離感
美容室によって、
お客様とのコミュニケーションスタイルは異なります。
会話を大切にするサロン。
落ち着いた時間を重視するサロン。
提案を積極的に行うサロン。
地域のお客様との長い関係を大切にするサロン。
学生が目指す接客スタイルと合うかどうかも、
実際にお客様として来店することで分かりやすくなります。
確認できること7|店内全体の空気感
サロンの雰囲気とは、
内装がおしゃれかどうかだけではありません。
音楽。
スタッフの声。
お客様の年代。
営業中の忙しさ。
スタッフの表情。
こうした要素が組み合わさって、
その美容室らしい空気がつくられています。
これは写真や求人票だけでは伝わりにくい部分です。
美容室側がサロン体験を導入するメリット1|求人票では伝わらない部分を見てもらえる
求人票は給与、休日、勤務地、福利厚生などを伝えるのに適しています。
しかし、
- 接客
- カウンセリング
- 技術
- スタッフの雰囲気
- 営業中の連携
は、文字だけでは伝えにくい情報です。
サロン体験は、これらを実際に体験してもらう接点になります。
メリット2|学生との接点を応募より前につくれる
美容室と美容学生の最初の接点が、
いきなり採用面接になっているケースもあります。
一方サロン体験なら、
「まだ応募するか決めていない」
段階の学生とも接点をつくれます。
学生側にとっても、
選考を受ける前なので比較的自然な形でサロンを知ることができます。
メリット3|知名度だけに依存しない接点をつくれる
有名サロンは、学生側から検索してもらえる可能性があります。
しかし地域密着型サロンや、
まだ学生への知名度が高くないサロンは、
まず実際に知ってもらう機会をつくる必要があります。
サロン体験を通じて、
「知らなかった美容室」
から、
「実際に行ったことがある美容室」
へ変わることは、
応募前接点として一つの意味があります。
メリット4|学生自身が「合う・合わない」を考えられる
すべての美容学生に、
すべての美容室が合うわけではありません。
美容室によって、
- 客層
- 接客
- 技術
- 店舗規模
- スタッフ数
- 得意分野
- 営業スタイル
は異なります。
サロン体験によって、
学生自身が「自分に合いそうか」を考えられることは、
採用後の認識のズレを減らすうえでも重要です。
メリット5|サロン見学の内容を深められる
サロン体験後に見学を行う場合、
学生はすでにその店舗やサービスを知っています。
そのため見学時の質問も、
「どんなサロンですか?」
から、
「体験したときにアシスタントの方が○○していましたが、教育ではどのように教えていますか?」
のように具体的になる可能性があります。
企業研究の深さが変わります。
サロン体験を導入するときの注意点1|サロン見学と目的を混同しない
サロン体験は、
教育制度や給与条件を詳しく説明する場ではありません。
逆にサロン見学だけで、
通常のお客様が受けるサービスをすべて体験できるわけでもありません。
それぞれの役割を明確にします。
サロン体験=通常のサービスを知る
サロン見学=働き方・教育を知る
と考えると整理しやすくなります。
注意点2|体験後に応募を強制しない
美容学生がサロンを体験したからといって、
必ず応募しなければならない仕組みにする必要はありません。
体験は、
そのサロンを知るための企業研究の一つとして位置付けます。
学生が比較検討した結果、
別の美容室を選ぶこともあります。
それも含めて、
応募前に相互理解を深めることが重要です。
注意点3|美容学生限定特典の条件を明確にする
美容学生向けに割引や無料施術などを実施する場合は、
- 対象者
- 対象メニュー
- 対象店舗
- 利用可能日
- 予約方法
- 利用回数
- 対象外メニュー
などを分かりやすく掲載します。
実際に美容学生向け施術体験を実施している美容室でも、
対象施術や対象店舗、予約方法などを具体的に案内しています。
注意点4|普段のサロンを過度に演出しない
学生が来る日だけ、
通常とは大きく異なる運営をしてしまえば、
サロン体験の意味が薄くなります。
サロン体験の価値は、
普段のお客様が受けているサービスを知ってもらえること
にあります。
採用向けの演出ではなく、
通常営業の中で自社らしさを感じてもらうことが重要です。
美容学生向けサロン体験の基本的な流れ
例えば、次のように設計できます。
美容学生がサロンを知る
↓
サロン体験を申し込む
↓
お客様として来店
↓
受付・カウンセリング・施術を体験
↓
簡単な感想・アンケート
↓
興味があればサロン見学
↓
会社説明・求人確認
↓
応募を検討
重要なのは、
体験からすぐ応募だけに誘導するのではなく、
学生が必要に応じて次の企業研究へ進めることです。
体験後アンケートで聞きたいこと
サロン体験を採用改善にも活用するのであれば、
簡単なアンケートを用意する方法があります。
例えば、
- 受付の印象
- カウンセリングの印象
- 接客の印象
- 技術の印象
- スタッフの雰囲気
- サロンについてもっと知りたいこと
- サロン見学への興味
などです。
学生の評価を採用の合否判定として利用するのではなく、
自社の採用情報や接点設計を改善する材料として考えます。
サロン体験で追いたいKPI
採用施策として継続する場合は、
数字も確認します。
- サロン体験申込数
- 体験実施数
- キャンセル数
- 体験後サロン見学数
- 体験後問い合わせ数
- 体験後応募数
- 体験→見学率
- 体験→応募率
- 応募→内定数
- 内定→入社数
ただし、
サロン体験の価値を「応募率」だけで評価する必要はありません。
学生が応募前に自社を理解できたか、
採用ミスマッチの低減につながっているかも長期的に確認します。
求人票・SNS・サロン体験・サロン見学をつなげる
新卒採用では、一つの施策ですべてを解決しようとしないことが重要です。
例えば、
求人票=条件を知る
Instagram=サロンの日常を知る
サロン体験=普段のお客様対応を体験する
サロン見学=教育・仕事内容を確認する
面接=双方の考えを確認する
というように役割を分けます。
それぞれの情報を組み合わせることで、
学生は応募前により深くサロンを理解できます。
「美容学生×サロン体験」を支援するBEAUTY INSIGHT
BEAUTY INSIGHT(ビューティーインサイト)は、
美容学生が応募前に美容室を「お客様として体験」し、
求人票やSNSだけでは分かりにくい
接客・技術・カウンセリング・スタッフの雰囲気などを知るための就職支援サービスです。
株式会社CAPが運営し、
美容学生と美容室の間に、
応募する前の新しい接点をつくることを目的としています。
求人を見るだけではなく、
実際にサロンへ行く。
お客様としてサービスを受ける。
そのうえでサロン見学や応募を考える。
美容学生が自分に合う就職先を考え、
美容室側も自社をより深く理解してもらえる環境づくりを目指しています。
美容学生の就職支援サービス BEAUTY INSIGHT(ビューティーインサイト)について詳しく見る
美容学生のサロン体験についてよくある質問
美容学生のサロン体験とは何ですか?
美容学生が就職先として興味のある美容室へ、
応募前に実際のお客様として来店し、
接客、技術、カウンセリング、スタッフの雰囲気などを体験する企業研究の方法です。
サロン見学とサロン体験は何が違いますか?
サロン見学では仕事内容や教育、求人条件などについて説明を受けます。
サロン体験では、お客様として通常営業時の接客、技術、カウンセリングなどを実際に体験します。
美容学生向けの施術体験を行っている美容室はありますか?
あります。
現在も複数の美容室が、美容学生向けの施術体験、割引、無料体験などを採用・企業研究の接点として案内しています。
サロン体験をした学生には応募してもらうべきですか?
体験後の応募を強制するのではなく、
美容学生が就職先を研究・比較するための機会として設計することが重要です。
興味が深まった学生がサロン見学や応募へ進める導線を用意します。
サロン体験を導入するメリットは何ですか?
求人票やSNSだけでは伝わりにくい、
接客、技術、カウンセリング、スタッフの動き、店舗の雰囲気などを
実際に体験してもらえることです。
また、応募より前の段階で美容学生との接点をつくることができます。
知名度の低い美容室でもサロン体験は活用できますか?
活用できます。
まだサロンを知らない美容学生にも実際に来店してもらうことで、
店舗、スタッフ、技術、接客を知ってもらう接点をつくることができます。
まとめ|応募する前に「お客様として知る」という選択肢
美容学生の新卒採用では、
求人票や採用サイトだけですべてを伝えることはできません。
Instagramでも、
サロン見学でも、
それぞれ分かることは異なります。
その中で、
美容学生がお客様として美容室を利用するサロン体験には、
- 普段の接客を知る
- カウンセリングを体験する
- 技術を体験する
- アシスタントの動きを見る
- スタッフ間の連携を見る
- サロンの空気感を知る
という役割があります。
求人票を見る。
SNSを見る。
お客様として体験する。
サロン見学で話を聞く。
そして応募を考える。
「応募してからサロンを知る」のではなく、
サロンを知ったうえで応募する。
美容学生と美容室の双方にとって、
そんな新卒採用の接点を増やしていくことが、
採用ミスマッチを減らす一つの方法になります。
参考事例
美容学生自身のサロン見学とお客様体験の違いについては、
美容学生のサロン見学とお客様体験の違い|応募前に美容室を見極める方法
でも詳しく解説しています。